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2007年3月15日 第20回サイエンスカフェ
2007年3月15日 第20回サイエンスカフェ
眠る植物と食虫植物の科学 ~不思議な生物現象の化学~
講師:上田 実 東北大学大学院理学研究科 教授
プロフィール
上田教授は、生物現象を制御する分子の研究が専門で、ダーウィン以来の謎である、オジギソウやハエトリソウなどの「動く植物」についての化学的研究で多くの成果を挙げています。これらの成果により、2000年には新進気鋭の研究者に贈られる日本化学会進歩賞を、2003年には東京テクノフォーラム21?ゴールドメダル賞(読売新聞社)を受賞しています。また東北大学の21世紀COEプログラム「大分子複雑系未踏化学」でも新しい研究領域を切り拓くために活躍しています。
開催情報
開催日:2007年3月15日(木)
概要
動物を「動くもの」と書くように、一般に植物は動かないものと考えられています。しかし植物の中には、夜になると葉を閉じて「眠り」、朝には再び葉を開いて「目覚める」ものや、食虫植物のような素早い動きで虫を捕らえるものなどがあります。植物の運動についての最古の記録はアレキサンダー大王の時代に遡り、また進化論のダーウィンや昆虫記のファーブルなどの大科学者もこの現象に大いに惹かれて研究を行いました。本カフェでは、化学者である私たちがこの不思議な生物現象の解明に向けて行ってきた研究を中心に、さまざまな植物の運動に関する最近の研究成果を取り上げます。現代の化学は、生物現象へと切り込もうとしています。