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2007年10月26日 第27回サイエンスカフェ
2007年10月26日 第27回サイエンスカフェ
日本学術会議化学委員会と共同開催「炭素から新素材を作り出す」
講師:榎 敏明 東京工業大学大学院理工学研究科 教授
プロフィール
榎教授は、物性化学が専門で、電気を流す有機物、磁性をもつ有機物、ナノサイズの炭素物質の研究をおこなっており、最近、特異な電子的?磁気的性質をもつナノメートルサイズのグラファイト(ナノグラファイト)の研究で興味ある成果を挙げています。このなかで、グラファイトを小さくしてゆくと磁性をもつようになり、鉄のような強磁性をもつ可能性があることを明らかにしました。この成果により2004年度に炭素材料学会学術賞を受賞されています。
開催情報
開催日:2007年10月26日(金)
概要
炭素は電子6個をもつ周期表14族第2周期の元素であり、グラファイトやダイヤモンドの形でよく知られています。また、有機物の重要な構成元素であり、生体物質の中や、プラスチック等、私たちの身の回りの物質にはなくてはならない物質であります。サッカーボール状をした C60や炭素ナノチューブの発見以来、炭素はナノテクノロジーの中で最も注目される物質として、研究の最先端で活発に研究がされています。ごく最近、一枚のグラファイトシートであるグラフェンを簡単に作ることができることが明らかになり、グラフェンへの関心が急速に高まっています。なかでも、ナノサイズ(10-9 m)の大きさのグラフェン(ナノグラフェン)はその形に大きく依存した電気的、磁気的性質を持ち、炭素からできた新しい磁石としての可能性を秘めていることが明らかとなりました。グラフェン、ナノグラフェンの最近の研究についてお話をします。