2019年2月15日 第161回サイエンスカフェ
生き物に学ぶ材料開発
講師:藪 浩 東北大学材料科学高等研究所 准教授
プロフィール
2004年6月 北海道大学大学院理学研究科化学専攻修了?博士(理学)授与
2004年7月 北海道大学電子科学研究所附属ナノテクノロジー研究センター助手
2007年4月 東北大学多元物質科学研究所助教
2010年4月 同准教授
2016年4月 東北大学原子分子材料科学高等研究機構(現材料科学高等研究所)ジュニア主任研究者(准教授)
開催情報
開催日:2019年2月15日(金)18:00~19:45
会場 : せんだいメディアテーク
概要
ハスの葉が水をはじくのはなぜだろう?どうしてタマムシはあんなにキレイな色をしているのだろう?生き物には様々な機能を思いがけない方法で実現しています。生き物が持っている能力を参考にした新しい機能材料の開発について紹介します。
Q&A
Q. ここ十数年のナノテクノロジーの進歩は、素晴らしいと思うが、これにより以前捨てていたアイディア等で復活したものはありますか?
A. 例えば今回紹介したモルフォチョウの構造色はまさにそう言ったものであると思います。構造色の概念自体は古くから有るのですが、これを実際の塗料や繊維に導入して実現することができたのは、まさにナノテクノロジーの進歩に因るものです。キリギリスの足や蛇の皮を真似た摩擦材料など他にも多くの例があると思います。
Q. 講演スライドに電子密度を高くして反射率を上げるような内容がありますが、電子密度を高くするためにどのような工夫が考えられますか?
A. 生物は限られた元素しか使えませんので、色素等を使って電子密度を高くしています。人工材料であれば、単純には金属を用いると電子密度を高めることができます。
当日の様子