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単一の光子による光ファイバーの屈折率変化の測定に成功-光子を用いた量子通信?量子計算デバイスへの道を拓く

 東北大学(総長:井上 明久)および科学技術振興機構(以下JST、理事長 北澤宏一)の研究グループは、光ファイバーの中で単一の光子(光の量子)が引き起こす屈折率変化を世界で初めて測定することに成功した。この技術は、究極 の光制御デバイスや量子通信?量子計算デバイスへの応用が期待される。本研究では、フォトニック結晶ファイバーと呼ばれる特殊な光ファイバーを用い、光子 をファイバー中のごく狭い領域に閉じ込めることで、1個の光子によって引き起こされる屈折率変化を観測可能なレベルまで増大させた。そして実際に、平均光 子数が1個以下の光パルスによって光ファイバーに生じる屈折率変化を観測することに世界で初めて成功した。このことは、光ファイバーを仲立ちとした光子同 士の相互作用が観測可能なレベルまで達したことを意味し、光子を用いた究極の光制御デバイスや、量子通信?量子計算デバイスへの道を拓く成果である。
  この成果は、JST 戦略的創造研究推進事業チーム型研究(CREST)の研究課題「新しい物理現象や動作原理に基づくナノデバイス?システムの創製」(研究総括:梶村皓二  (財)機械振興協会 副会長/同協会 技術研究所 所長)における研究課題「光電場のナノ空間構造による新機能デバイスの創製」(研究代表者:石原 一 大阪府立大学 大学院工学研究科 教授)で行われた研究の一環として、東北大学電気通信研究所 枝松 圭一 教授、松田 信幸(東北大学大学院工学研究科 博士後期課程3年、日本学術振興会 特別研究員)らの研究グループによって得られたもので、英国科学雑誌「Nature Photonics(ネイチャー?フォトニクス)」オンライン版に1月26日(日本時間)に公開された。

プレスリリース(20090126.pdf

問合せ先:  東北大学電気通信研究所 教授 枝松 圭一(エダマツ ケイイチ)

Tel:022-217-5070 Fax:022-217-5071
E-mail:eda@riec. (※...tohoku.ac.jp)

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