2012年 | プレスリリース
人工ポリ環状エーテル分子による生体機能制御
このたび,東北大学大学院生命科学研究科の不破春彦准教授,佐々木誠教授のグループは,スペイン?サンチアゴ大学コンポステーラ校の Luis M. Botana教授のグループとの共同研究により,ガンビエロールの分子右半分に相当する人工類縁体を設計?合成し,本化合物が天然物と完全に同等のKv チャネル阻害作用を示すことを明らかとしました。さらに本化合物を,アルツハイマー病モデルのトランスジェニックマウス注3の初代培養神経細胞に 添加すると,アルツハイマー病の原因物質と考えられているアミロイドβペプチド注4や異常リン酸化タウ蛋白質注5が減少することを見出しました。 本研究は,ポリ環状エーテル天然物の構造モチーフを活用した,新しい生体機能分子の人工的な創出に成功した先駆的な例であり,2012年5月2日 付の米化学会誌Journal of the American Chemical Societyで発表されました。
[お問い合わせ先]
東北大学大学院生命科学研究科生命構造化学分野
准教授 不破 春彦(ふわ はるひこ)
電話番号:022-217-6214
Email: hfuwa*bios.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えて下さい)