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顔料からの有限長カーボンナノチューブ分子の合成に成功

 国立大学法人東北大学(原子分子材料科学高等研究機構?大学院理学研究科)の磯部寛之教授の研究グループは、顔料を原料とした有限長カーボンナノチューブ分子の製造法を開発しました。らせん型選択的合成法およびらせん型?アームチェア型の混合合成法の二種の手法を開発し、大量に工業生産されている有機顔料を有限長カーボンナノチューブ分子へと変換する新しい製造法を開発したものです。現在、有限長カーボンナノチューブ分子のボトムアップ化学合成法の開発研究が始まっていますが、本研究では、最短長カーボンナノチューブ分子(0.25 ナノメートル)の三倍長(0.75 ナノメートル)となる有限長カーボンナノチューブ分子の製造法が開発されました。磯部教授らのグループにより、昨年と一昨年に二倍長までの有限長カーボンナノチューブ分子のボトムアップ化学合成が実現されていましたが、本研究により実現された三倍長が有限長カーボンナノチューブ分子のなかでの新しい世界最長記録となります。この研究では同時に、らせん型有限長カーボンナノチューブ分子が筒をならべた空間充填構造をもつことが発見され、カーボンナノチューブの新しい集積法としても注目されます。キロ?トン単位で入手可能な顔料を原料とすることで、量産型ナノテクノロジーの実現にまた一歩、大きな進展がもたらされた成果となります。
 この研究は、磯部寛之教授、松野太輔氏(博士後期課程学生)、鎌田翔氏(博士前期課程学生)、一杉俊平助教が、文部科学省「科学研究費補助金」などを使って行ったものであり、英国化学会発行の「ケミカル?サイエンス」誌で公開されました。


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[問い合わせ先] 
東北大学大学院理学研究科 化学専攻
教授 磯部 寛之
Tel: 022-795-6585
Fax: 022-795-6589
Email: isobe*m.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
研究室ホームページ:http://www.orgchem2.chem.tohoku.ac.jp/

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