2015年 | プレスリリース?研究成果
新しい酸化セリウムナノロッド材料の開発-低温条件下でも酸素吸蔵放出能を発現-
東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の浅尾直樹教授のグループと同機構の中山幸仁准教授のグループは、セリウムアルミニウム合金を70℃のアルカリ水溶液に浸漬するという非常に簡便な手法により、極めて細い酸化セリウムナノロッドを高収率で作製することに成功しました。
酸化セリウムは、酸化雰囲気下では酸素を取り込み、還元雰囲気下では酸素を供給する酸素吸蔵放出能を示します。このため、酸化セリウム系材料は、自動車の排気ガス浄化触媒の助触媒として広く利用されていますが、低温下ではその機能が大きく低下することが知られています。近年、ガソリン車の飛躍的な燃費の向上やハイブリッド車の普及により、排気ガスを低温下で浄化する必要性が高まっていました。
今回、研究グループが独自に開発を進めてきた作製法(特願2015-101576)を用いることで、200℃以下の低温域で酸素吸蔵放出能を示すナノロッド材料を開発することに成功しました。これにより本研究は低温条件下における排気ガス浄化触媒の機能性向上に利用できる可能性があります。また、この作製手法は他の金属酸化物のナノ材料化への応用も期待されることから、ナノテクノロジー研究の発展に大きく道を開くものです。
本研究成果は、ドイツの出版社が発行する先端材料科学の専門誌『Advanced Materials』に平成27年12月11日(現地時間)に掲載されました。
CeO2ナノロッドの高分解能透過電子顕微鏡像
問い合わせ先
<研究に関すること>
浅尾 直樹 (アサオ ナオキ)教授
東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)
Tel: 022-217-6165
E-mail: asao*m.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
中山 幸仁 (ナカヤマ コウジ)准教授
東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)
Tel: 022-217-5950
Email: kojisn*wpi-aimr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
<報道担当>
皆川 麻利江 (ミナガワ マリエ)
東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR) 広報?アウトリーチオフィス
Tel: 022-217-6146
Email: aimr-outreach*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
<特許、技術移転に関すること>
石山 晃 (イシヤマ アキラ)
株式会社 東北テクノアーチ 取締役 技術部長
Tel:022-222-3049 Fax : 022-222-3419
E-mail: ishiyama*t-technoarch.co.jp(*を@に置き換えてください)