2016年 | プレスリリース?研究成果
130億光年彼方での一般相対性理論の検証~アインシュタインは間違っていなかった?~
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)の奧村哲平特任研究員と日影千秋特任助教、東京大学大学院理学系研究科天文学専攻の戸谷友則教授を中心に、東北大学大学院理学研究科天文学専攻の秋山正幸准教授及び京都大学大学院理学研究科物理学?宇宙物理学専攻の岩室史英准教授、太田耕司教授らから成る国際研究グループは、すばる望遠鏡を用いたFastSound(ファストサウンド)という銀河サーベイにより、平均して130億光年もの遠距離にある約3000個もの銀河までの距離に基づく宇宙3次元地図を完成させました。
さらに地図中での銀河の運動を詳しく調べ、重力によって大規模構造が成長していく速度の測定に初めて成功しました。そして、そのような遠方宇宙でも構造形成速度がアインシュタインの一般相対性理論の予想と一致することを確かめました。今回の結果は、一般相対性理論は正しく、アインシュタインが導入した宇宙定数により宇宙の加速膨張が起きているという説をさらに支持するものです。
本研究成果は日本天文学会の発行するPublications of the Astronomical Society of Japan(欧文研究報告)のオンライン版に2016年4月26日付で掲載されました。
FastSound サーベイによって明らかになった3次元銀河地図(2013年8月7日の国立天文台ハワイ観測所のプレスリリース「史上最遠方の宇宙立体地図が完成、ダークエネルギーの謎に迫る研究が進行中」より)。 (クレジット:国立天文台, 一部データ提供:CFHT, SDSS)
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