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妊娠高血圧腎症モデル確立―妊産婦死亡減少?胎児発育促進へ期待―

妊娠中毒症とよばれていた「妊娠高血圧腎症」は、妊娠にともなって高血圧を来す尿蛋白を伴う疾患で、脳出血などによる母体死亡、胎児死亡、未熟児発生をもたらしますが、その原因は不明で、有効な治療法がありませんでした。

東北大学大学院薬学研究科高橋信行准教授らのグループは東北大学医学系研究科、東北大学流体科学研究所との共同研究により、妊娠中期から後期に図に示すように子宮に至る動静脈をナイロン糸とともに縫合糸でしばり、その後、ナイロン糸を取り除いて、血流を適度に減少させることにより、ヒトの「妊娠高血圧腎症」に特徴的な病態(高血圧、蛋白尿、流産早産、及び胎児低体重、血管内皮障害)を忠実に再現できるマウスモデルを作成することに成功しました。

本研究で開発された方法を用いて作成した「妊娠高血圧腎症」のモデル動物を利用することで、当該疾患の原因を明らかにし、その新たな予防?治療手段を開発することができるようになります。本研究から、胎児の生存?発育には、子宮への血流が重要であり、子宮動静脈の血流改善を指標として、「妊娠高血圧腎症」における流産?早産、及び胎児発育不全を改善する新たな手段を開発可能であることが確認できました。マウスは他の動物と異なり遺伝子改変マウスがすでに多数作成されていることから、遺伝子の役割を明らかにするのに非常に有用で、今後の研究?治療開発の進展が期待されます。

成果は米国の科学雑誌「PLOS ONE」(5月17日)に掲載されました。

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問い合わせ先

東北大学大学院薬学研究科
担当 高橋信行、堰本晃代
電話:022-795-6807
E-mail:ntakaha*m.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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