2016年 | プレスリリース?研究成果
RNA 二重鎖を可視化する新技術を開発!生命現象、疾患、ウィルス感染の解明へ
東北大学大学院理学研究科化学専攻?西澤精一教授のグループは、リボ核酸(RNA)の二重鎖構造に結合する蛍光分子(プローブ)を新たに開発し、RNA二重鎖の塩基配列を可視化することのできる技術を世界で初めて開発しました。この技術は、ウィルス感染や疾患の解明に繋がる技術基盤となることが期待されます。
本研究では、蛍光色素を導入したペプチド核酸(PNA)プローブがRNA二重鎖と塩基配列選択的に結合し、三重鎖構造を形成すると色素部分が強く光ることを見出しました。RNAは細胞内で複雑な構造を形成することで、代謝物やタンパク質と反応し、多彩な機能を発現することが知られています。そのため、その構造の基礎となるRNA二重鎖を精密に解析する技術は生命現象や疾患を解明するために必要不可欠なものです。これまでの分析手法はRNA一本鎖構造に対してのみ有効だったのに対し、本研究で開発した蛍光プローブを用いることにより、RNA二重鎖の構造と配列情報を解析することが可能となりました。
これらの研究結果は、様々な生命現象、疾患、ウィルス感染と関与するRNA高次構造の機能を解析するための革新的な技術基盤になるものと期待できます。
プローブ構造と、予想される三重鎖構造。プローブのPNA部分をオレンジ、TO部分を緑、RNAを青と灰色でそれぞれ示した
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