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ガロア表現の保型性問題 ~セール予想の解決に向けて~

数学は数式の神秘さを問う学問と勘違いされる方も多い様ですが、それだけではなく、様々な起源をもつ数学的対象が思いもよらない形で結びつくことで豊かな土壌をうみだす学問とも言えます。今回の研究はガロア表現の保型性問題についてです。この問題は、保型形式と呼ばれる解析的対象とガロア表現と呼ばれる代数的対象の間に成立すると予想されている神秘的な対応に関連する問題です。たとえば、1995年頃にワイルズによって証明された、方程式xn+yn=znの整数解(x,y,z)には自明なものしかないという主張は、この保型性問題のある特別な場合の帰結になります。さて、一般に保型性問題を解決するに当たって重要なことは関連する周辺分野の進展にあります。例えて言えば宇宙船を作るかのごとく様々な分野の知識が高度なレベルで要求されるのです。今回、焦点を当てるのはセール予想というある種のガロア表現の保型性を問う問題です。それを解決するためには、幾つもの課題を克服しなければなりません。ここ数年の研究においてGSp4の場合にセール予想に関連する重さ還元定理というものを証明することができました。この結果はセール予想の解決に向けて大きく寄与することが期待されます。

ガロア表現の保型性問題の研究

問い合わせ先

東北大学大学院理学研究科
数学専攻
准教授 山内卓也(やまうちたくや)
E-mail:yamauchi*math.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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