2018年 | プレスリリース?研究成果
オプジーボ?による免疫療法の最適化が 可能となる検査法を開発 ―血清中の治療効果予測因子を世界で初めて発見―
【発表のポイント】
- 根治切除不能悪性黒色腫注1への抗PD1抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ?)単剤での治療効果は約30%前後であり、治療効果を予測する検査法の開発が待ち望まれている。
- ニボルマブを用いた悪性黒色腫の治療において、血清中の治療効果予測因子を世界で初めて発見し、その治療効果を予測する検査法を開発した。
- 今回開発した検査法により、ニボルマブ単剤で治療効果が出るかどうか治療早期に判断することができるため、無効な治療の継続を回避し、不必要な副作用発症を避け、効率的に治療薬を使用できるなど、ニボルマブによる免疫療法の最適化につながる。
【概要】
東北大学大学院医学系研究科皮膚科学分野の相場節也(あいば せつや)教授、東北大学病院皮膚科の藤村卓(ふじむら たく)講師らの研究グループは、根治切除不能悪性黒色腫治療薬であるニボルマブを用いた免疫療法において、その治療効果を予測する検査法を開発しました。
治療効果を予測することは、高額な治療薬を効率良く使用するために重要であり、また重篤な副作用を発症するリスクを下げることが可能となります。ニボルマブが効かないにも関わらず投与を続けることを避けるため、治療効果を予測する検査法の開発が待ち望まれていました。本研究では、血清中の治療効果予測因子を世界ではじめて発見し、投与3ヶ月目におけるニボルマブの治療効果を、投与6週目に予測できるシステムを開発しました。
本研究成果は、平成30年11月19日午前4時(グリニッジ標準時、日本時間11月19日午後1時)英国科学雑誌「Frontiers in Oncology」電子版に掲載されます。本研究は日本医療研究開発機構(AMED)の次世代がん医療創生研究事業(P-CREATE)「免疫チェックポイント阻害薬使用による免疫関連副作用予測システムの開発」の支援を受けて行われました。
【用語説明】
注1. 根治切除不能悪性黒色腫:メラノーマとも呼ばれる皮膚がんの一種で、外科的切除で根治することが不可能なもの
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学病院皮膚科
東北大学大学院医学系研究科皮膚科学分野
藤村 卓(ふじむら たく)
神林 由美(かんばやし ゆみ)
電話番号:022-717-7271
Eメール:tfujimura1*med.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学病院広報室
電話番号:022-717-7149
FAX番号:022-717-8931
Eメール:pr*hosp.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)