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超伝導体を利用した新たな環境発電機能を実証

【発表のポイント】

  • 第二種超伝導体(注1)の性質を利用した環境発電機能を実証した。
  • 試料の温度を一定に保ち、特定の磁場を印加するだけで、環境の"揺らぎ"から直流電圧が発生する。
  • 微弱な環境揺らぎからの発電や、微弱信号を検出する素子に応用できる可能性がある。

【概要】

東北大学金属材料研究所のヤナ?ルスティコバ氏(大学院博士課程?日本学術振興会特別研究員)、塩見雄毅助教(現 東京大学大学院総合文化研究科?広域科学専攻相関基礎科学系准教授)と横井直人研究員、東京工業大学理学院物理学系の大熊哲教授、東北大学金属材料研究所?材料科学高等研究所の齊藤英治教授(現 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻教授兼任)らは、第二種超伝導体の渦糸液体状態(注2)を利用した新たな環境発電機能を実証しました。本成果は2018年11月22日(英国時間)「Nature Communications」オンライン版で公開されました。

図1 実験に使用した試料と測定セットアップの模式図。ガドリニウムガリウムガーネット(GGG)基板上にYIG単結晶を成長させた試料に、MoGeをスパッタリング成膜している。MoGe膜上に、電気測定(電流(I)、電圧(V))の電極を作製した。磁場(B)はMoGe膜の面内方向に印加している。

【用語解説】

注1) 第二種超伝導体
超伝導体にはある一定の磁場(臨界磁場)を超えた場合、常伝導状態に移行する第一種超伝導体と、超伝導状態を保ったまま一定の磁束線が侵入する渦糸状態を経て、常伝導状態へ移行する第二種超伝導体とがある。

注2) 渦糸液体状態 渦糸とは第二種超伝導体特有の"欠陥"であり、超伝導体の内部に侵入する磁束線のことで、この渦糸が超伝導体内部で自由に運動できる状態のことを指す。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

◆研究に関すること
齊藤 英治(サイトウ エイジ)
東北大学 材料科学高等研究所(AIMR)/金属材料研究所
〒980-8577 宮城県仙台市青葉区片平2-1-1
Tel:022-217-6238 Fax:022-217-6395
E-mail:eizi*imr.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)

◆報道担当 東北大学 材料科学高等研究所(AIMR) 広報?アウトリーチオフィス
Tel:022-217-6146 E-mail:aimr-outreach*grp.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)
東北大学 金属材料研究所 情報企画室広報班
Tel:022-215-2144 E-mail:pro-adm*imr.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)

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