2018年 | プレスリリース?研究成果
筋肉の幹細胞を正常に保つ仕組みを解明 筋肉の再生医療への応用に期待
【発表のポイント】
- タンパク質分解機構(プロテアソーム系注1)の不全は、筋肉の幹細胞(サテライト細胞注2)の機能破綻を引き起こすことを明らかにした。
- 筋肉の幹細胞の機能破綻により、筋肉の再生能力が低下した。
- 今後の筋肉の幹細胞研究や再生医療への応用が期待される。
【研究概要】
日本学術振興会特別研究員SPD(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科)の北嶋康雄(きたじま やすお)博士は、東北大学大学院医工学研究科健康維持増進医工学分野永富良一(ながとみ りょういち)教授(兼大学院医学系研究科運動学分野)、同大学大学院医学系研究科神経内科学分野青木正志(あおき まさし)教授、鈴木直輝(すずき なおき)助教らとの共同研究において、筋肉の幹細胞であるサテライト細胞の維持において、タンパク質分解系であるプロテアソーム系が必須であることを明らかにしました。本研究により、筋肉の幹細胞を正常に保つ仕組みの一端を明らかにしました。今後、筋肉の幹細胞研究や再生医療への応用が期待されます。
この研究成果は、2018年11月8日午前12時(米国東部時間、日本時間11月9日午前2時)に国際幹細胞学会(ISSCR)が発行する科学誌「Stem Cell Reports」にオンライン公開されました。
【用語説明】
注1. プロテアソーム系:細胞質や核内の不要なタンパク質を分解する巨大な酵素複合体。
注2. サテライト細胞:筋線維の表面に衛星(サテライト)のように存在している細胞で、筋肉の幹細胞とも呼ばれる。筋肉が障害を受けた時に、その傷害された部分を治す役割を果たしており、筋肉の再生に欠かせない細胞である。
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学大学院医学系研究科運動学分野
教授 永富 良一
電話番号:022-717-8588
Eメール:nagatomi*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(取材に関すること)
東北大学大学院医学系研究科?医学部広報室
電話番号:022-717-7891
FAX番号:022-717-8187
Eメール:pr-office*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)