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高感度?高精細?リアルタイム近接容量イメージセンサを開発

【発表のポイント】

  • 計測対象にセンサを近づけた際に生じる近接容量の二次元分布を高感度?高精細?リアルタイムに計測できる近接容量イメージセンサ(※1)を開発
  • 新しいノイズリダクション技術で10-19Fの容量検出精度を達成
  • 電子産業、認証、ライフサイエンス、農業分野などで分析、管理の高効率化に貢献

【概要】

東北大学大学院工学研究科技術社会システム専攻?未来科学技術共同研究センターの須川成利教授の研究グループは、オー?エイチ?ティー株式会社(社長:羽森 寛、本社:広島県福山市神辺町西中条1181-1)と共同で、フラットパネル?電子回路基板の検査や生細胞のイメージング等に期待される、微小な容量分布を2次元で高精細に動画撮影が行える近接容量イメージセンサの開発に成功しました。

近接容量イメージセンサは、指紋認証やタッチセンサー、材料内部の非破壊検査、液面レベルセンサー等に使われており、今後はフラットパネル?電子回路基板の非接触による電気検査や、細胞反応の可視化、植物活性度のモニタリング等への活用も期待されています。

今回、開発した近接容量イメージセンサでは、高感度CMOSイメージセンサの研究で培ったノイズリダクション技術を応用し、0.1アット(※2)Fの容量検出精度を達成しました。プロトタイプチップによる優れた容量イメージング性能を実証し、微小な二次元容量分布を高感度?高精細にリアルタイムで検出する技術の原理確認に成功しました。

以上の成果は、2018年12月3日~5日に米国サンフランシスコで開催された国際学会「米国電気電子学会(※3)国際電子デバイス会議(IEEE International Electron Devices Meeting)」で発表しました。

【語句説明】

(※1) 近接容量イメージセンサ:近接容量とは、計測対象にセンサを近づけた際に計測対象とセンサ内の電極間に生じる容量のことであり、近接容量イメージセンサはこの近接容量を二次元のエリアで検量するセンサを示す。指紋認証やタッチセンサー、材料内部の非破壊検査、液面レベルセンサー等に使われている。

(※2) アット:国際単位系の接頭辞の一つで、単位の10-18倍の量であることを示す。

(※3) 米国電気電子学会:The Institute of Electrical and Electronics Engineers,の略。通称 IEEE (アイ?トリプル?イー)。人類社会の有益な技術革新に貢献することを目的とした世界最大の電気?電子技術に関する専門家組織で、世界160ヵ国以上、40万人を超える会員がいる。

左?中央:開発した近接容量イメージセンサの画素断面構造と容量計測方法の模式図
(測定対象が導体、液体中の場合)。右図:計測容量の分布の例。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

東北大学大学院工学研究科 情報広報室
〒980-8579 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-04
Tel: 022-795-5898 Fax: 022-795-5898
E-mail: eng-pr*eng.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください。)

【技術についてのお問い合わせ先】
東北大学大学院工学研究科 須川 成利(教授)

〒980-8579 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-11
Tel: 022-795-4833 Fax: 022-795-4834
E-mail: shigetoshi.sugawa.d4*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください。)

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