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超高温モシブチック合金の凝固過程を解明 黒体放射を利用した新規超高温熱分析装置の開発と浮遊法による凝固過程のその場観察手法の確立

【発表のポイント】

  • 地球温暖化の観点から熱機関の高効率化が求められており、熱機関部材(タービンブレード等)の高温化が有効な手段として注目されている。
  • 今回、黒体放射※1を利用した2000 ℃以上で計測可能な超高温熱分析装置を開発。
  • 次世代超高温材料として期待されるモシブチック合金(モリブデンを主成分とし、シリコン、ボロン、チタン、炭素などを含む合金)の凝固過程の熱分析やその場観察などに成功。
  • 今後、さまざまな超高温材料の熱分析が可能になり、超効率エネルギー変換材料の開発や超高温場制御を行うことなどが期待される。

【概要】

東北大学多元物質科学研究所の福山博之教授、大塚誠准教授と同大学院工学研究科知能デバイス材料学専攻の吉見享祐教授の共同研究グループは、黒体放射を利用した、2000 ℃以上の温度でも計測可能な超高温熱分析装置を開発し、次世代の超高温材料として期待されるモシブチック合金(モリブデンを主成分とし、シリコン、ボロン、チタン、炭素などを含む合金)の凝固過程の熱分析に成功しました。また、電磁浮遊させた溶融モシブチック合金の冷却過程の直接観察と、固相‐液相共存状態から急冷した試料の内部組織観察から、複雑な凝固過程を解明しました。この成果は、超高温モシブチック合金の組織制御に対して有用な知見であり、実用化の際に問題となる種々の材料特性の向上につながります。

本研究は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業先端的低炭素化技術開発ALCA(研究代表者:吉見享祐)の支援によって行われました。また、本研究成果は、2019年10月21日10時(英国時間)に英国科学雑誌Scientific Reports(電子版)に掲載されました。

黒体放射を利用した超高温熱分析装置

【用語解説】

※1. 黒体放射:
すべての波長の光(電磁波)を完全に吸収する物体から放出される熱放射

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学 多元物質科学研究所
担当:教授 福山 博之
電話:022-217-5178
E-mail:hiroyuki.fukuyama.b6*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学 多元物質科学研究所 広報情報室
Tel:022-217-5198
E-mail:press.tagen*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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