2020年 | プレスリリース?研究成果
液-液相分離が担う核内タンパク質分解機構の発見 ~細胞が環境ストレスに適応するための新しいタンパク質分解の仕組み~
公益財団法人東京都医学総合研究所蛋白質代謝研究室の安田さや香研究員、土屋光研究員、田中啓二理事長、佐伯泰副参事研究員らは、細胞が環境ストレスに適応するための新しいタンパク質分解の仕組みについて発表しました。本研究は、マックスプランク研究所のRubén Fernández-BusnadiegoグループリーダーおよびWolfgang Baumeister教授、東北大学の稲田利文教授、東京大学の村田茂穂教授らのグループと共同で行い、日本学術振興会科研費(挑戦的研究(萌芽)、基盤研究(A)、若手研究)、文部科学省科研費新学術領域研究「ケモテクノロジーが拓くユビキチンニューフロンティア」(領域代表者:佐伯泰)、日本医療研究開発機構の革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST)「全ライフコースを対象とした個体の機能低下機構の解明」研究開発領域における研究開発課題「プロテアソーム機能調節介入による健康寿命の延長」(研究開発代表者:村田茂穂)、(公財)武田科学振興財団、(公財)上原記念生命科学財団の研究助成により実施しました。 この研究成果は、2020年2月5日(水曜日)18時(英国時間)に英国科学誌『Nature』にオンライン掲載されました。
図1. プロテアソーム液滴の観察
(a)赤色蛍光タンパク質をプロテアソームに、緑色蛍光タンパク質をユビキチンに融合し、ノックインした細胞。細胞に高浸透圧のストレスを与えると、核内で顕著に液滴が形成される。この液滴にはプロテアソームとユビキチンが存在するため、両者が重なって黄色に見える。共焦点蛍光顕微鏡で観察 (スケールバー:10 ?m)。
(b)液滴が融合し大きくなる様子。(a) 内の白四角を拡大 (スケールバー:0.5 ?m)。
(c)個々の液滴の円形度を算出してグラフに示した。値が1に近づくほど粒子は真円に近づく。数値は液滴1,312個の平均値±SD(標準偏差)。
問い合わせ先
(研究内容に関すること)
東北大学大学院薬学研究科 遺伝子制御薬学分野
教授 稲田利文
TEL:022-795-6874
FAX:022-795-6873
E-mail:tinada*mail.pharm.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院薬学研究科 総務係
TEL:022-795-6801
FAX:022-795-6805
E-mail:ph-som*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)