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コップ=輪っか?:ホモロジー解析技術による新規画像診断法 機械学習を用いてCT画像のみから放射線治療後の経過予測に成功

【発表のポイント】

  • 放射線治療を行う前にその治療効果を正確に把握することは困難である。
  • 腫瘍CT画像に対してホモロジー解析注1技術と機械学習注2を適用した結果、CT画像から患者ごとの放射線治療の効果を高い精度で推定することに成功した。
  • 患者ごとに最適な治療方針を決定する支援システムが開発できると期待される。

【概要】

放射線治療では、異なる患者に同じ放射線治療を施した場合でも、治療効果を正確に予測することが困難で、治療効果が高い場合と低い場合が出てきます。放射線治療を行う前に、その効果を把握することができれば、患者ごとに最適な治療法を提案できる可能性があります。今回、東北大学大学院医学系研究科放射線腫瘍学分野の神宮啓一(じんぐう けいいち)教授らのグループは、大阪大学と共同で、CT画像の診断にホモロジー解析技術と機械学習を用いることで、治療前CT画像から放射線治療の効果を高い精度で予測することに成功しました。この研究成果から、治療前に治療効果を正確に予測できる診断法を確立できる可能性を示すことができ、患者ごとに最適な治療方針を決定できる支援システムの開発につながることが期待されます。

本研究成果は、2020年2月25日に国際科学誌 Medical Physics(電子版)に掲載されました。

図1. ホモロジー解析技術と機械学習を応用した腫瘍CT画像から放射線治療の効果を高い精度で推定する手法の開発

【用語解説】

注1.ホモロジー解析:ある2つの図形について、ホモロジー計算で算出される変数(この研究では、連結成分の数と穴の数)が等しい場合にはこの2つの図形は似た図形であると定義する数学的手法。このホモロジーという概念では、コップも輪っかも連結部分は一つで穴も一つであるため、コップと輪っかは同じ物体であると定義できる。この考え方では連続して変形させて一致するものは同じと考えることができる。ピンポン球はいくら連続的に変形させても輪っかにはならないが、コップは連続的に変形させると輪っかになる。

注2.機械学習:人工知能の一種であり、学習したデータに基づき明示的な指示を用いることなく、その代わりにパターンと推論に依存して、特定の課題を効率的に実行するための数学的最適化法。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院医学系研究科放射線腫瘍学分野
助教 角谷 倫之 (かどや のりゆき)
電話番号:022-717-7433
Eメール:kadoya.n*rad.med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(取材に関すること)
東北大学大学院医学系研究科?医学部広報室
電話番号:022-717-7891
FAX番号:022-717-8187
Eメール:pr-office*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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