2020年 | プレスリリース?研究成果
東北地方の出生率回復低迷を確認 -2019年の合計特殊出生率 過去最低値を更新-
【発表のポイント】
- 厚労省公表の都道府県別の合計特殊出生率は、2015年以前の公表値の計算方法に重大な問題があるため、過去最低値を正しく判断できない
- 2015年以前の都道府県別の合計特殊出生率を正しい手法で2000年まで遡って作成した結果、全都道府県で2005年が出生率の転換点であったことが判明
- 2019年の出生率について、岩手県、宮城県のみならず、新たに山形県および栃木県でも過去最低値を更新していたことを確認
- 2005年からの出生率の回復をランキング化した結果、下位6県は岩手県、山形県、福島県、宮城県、秋田県、栃木県となり、東北地方の回復低迷が判明
【概要】
厚労省公表の都道府県別合計特殊出生率は、2015年以前の公表値の計算方法に重大な問題があるため、過去最低値を正しく判断することはできません。
東北大学大学院経済学研究科の吉田浩教授らは、2015年以前の都道府県別の合計特殊出生率を正しい手法で2000年まで遡って作成し(通称:東北大出生率)、2019年の出生率は、岩手県、宮城県のみならず、新たに山形県および栃木県でも過去最低値を更新していたことを明らかにしました。
東北大出生率の結果から、出生率は2005年には全都道府県でそれまでの最低値を記録していたことが明らかになっていました。そこで2019年の出生率を都道府県別に調べてランキング化したところ、最も下落が大きかった順に1位が岩手県、2位が山形県、3位が福島県など、青森県を除く東北5県で2005年の水準を下回っており、東北地方の出生率の回復低迷が深刻であることが明らかになりました。
図1 2005年を基準としてみた都道府県別合計特殊出生率の差(東北大出生率)
(資料)2000-2015年:東北大出生率,2016-2019年:厚生労働省『人口動態統計』
問い合わせ先
東北大学経済学研究科高齢経済社会研究センター
教授 吉田 浩
TEL:022-795-6292
Email:hyoshida.econ*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
石井 憲雄(東北大学経済学博士)
Email:ishiinorio2012*gmail.com(*を@に置き換えてください)