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結晶化ガラス材料における最大の光変調性能を実現 - 光通信網へ導入可能な柔軟かつ高度な光波制御デバイスの実現が可能に -

【発表のポイント】

  • 光変調の性能の尺度となるポッケルス係数が最高値を示す多結晶性セラミックス「完全表面結晶化ガラス」の創製に成功した。
  • 「完全表面結晶化ガラス」は、現行の光ファイバーネットワークとの親和性が高く、安価かつ量産性に優れた光波制御デバイスの創製を将来的に可能とする。

【概要】

長距離かつ大容量データの送受信システムを支える光通信は、動画や音楽の配信はもとより大規模災害における情報伝達など、私たちの生活にとって必要不可欠です。東北大学大学院工学研究科応用物理学専攻の藤原 巧教授らの研究グループは、同大学工学研究科技術部の宮崎孝道博士との共同研究により、光通信技術を支える光波制御デバイスの新たな材料となる「完全表面結晶化ガラス」を創製し、光の自在な操作を可能とするポッケルス効果の発現を実証しました。また前駆体となるガラスの成分やナノ組織構造制御により、今回開発した材料のポッケルス係数は、これまで報告されている結晶化ガラスにおいて最高値を達成しました。本研究成果は、現行の光ファイバーネットワークとの親和性が高い、安価かつ量産性に優れた光波制御デバイスの設計?創製を推進するものと期待されます。

本成果は、欧州セラミックス学会(ECerS)の旗艦誌「Journal of the European Ceramic Society」に令和2年8月13日に掲載されました。

図1.フレスノイトの結晶構造。 本研究で着目したフレスノイト型Ba2TiGe2O8は、バリウム(Ba)とチタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、酸素(O)で構成される化合物で、化学式Ba2TiGe2O8で示される。青色と水色の多面体はそれぞれGeO4四面体とTiO5ピラミッドに相当し、このTiO5が同じ方向へc軸に沿って整列することでポッケルス効果の起源となる自発分極が誘起される。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

<研究に関して>
藤原 巧(フジワラ タクミ)
東北大学大学院工学研究科 応用物理学専攻 教授
電話 022-795-7964
E-mail: fujiwara*laser.apph.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

高橋 儀宏(タカハシ ヨシヒロ)
東北大学大学院工学研究科 応用物理学専攻 准教授
電話 022-795- 7965 
E-mail: takahashi*laser.apph.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

<報道に関して>
東北大学工学研究科情報広報室 担当 沼澤 みどり
TEL: 022-795-5898 
E-mail: eng-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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