2020年 | プレスリリース?研究成果
亜硝酸塩は口腔疾患や循環器疾患などの予防に寄与 -口腔内亜硝酸塩産生の特徴や産生菌の種類を明らかに-
【発表のポイント】
- 亜硝酸塩は、抗菌作用?血管拡張作用があり、う蝕などの口腔疾患や循環器疾患などの予防効果をもたらすとされています。
- 口腔内の亜硝酸塩産生活性は、全体として個人差が大きいこと、また舌苔よりも歯垢において高いことがわかりました。
- 口腔内の亜硝酸塩産生に関わる菌を新たな手法で分離同定したところ、口腔アクチノマイセス属、シャーリア属、ベイヨネラ属、ナイセリア属、ロシア属などの口腔常在菌であることが明らかになりました。
【概要】
近年、口腔内細菌により、緑黄色野菜や唾液に含まれる硝酸塩が代謝されて抗菌作用?血管拡張作用を持つ亜硝酸塩が生じ、それが、う蝕といった細菌性口腔疾患や循環器疾患などの予防に寄与している可能性に注目が集まっています。しかし、その産生に関する詳細は不明な点が多いままでした。
東北大学大学院歯学研究科口腔生化学分野の髙橋信博教授、鷲尾純平講師、佐藤優理亜歯科医師および新潟大学医学部保健学科の佐藤拓一教授らの研究グループは、口腔内における亜硝酸塩産生活性は個人差が大きいこと、舌苔よりも歯垢で高いこと、またこれらの亜硝酸塩産生には、口腔アクチノマイセス属、シャーリア属、ベイヨネラ属、ナイセリア属、ロシア属などの口腔常在細菌として知られる細菌群が主に関わっていることを明らかにしました。
本研究成果は、令和2年10月6日付でScientific Reports誌に掲載されました。
図 本研究の概要
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学大学院歯学研究科
口腔生化学分野
教授 髙橋 信博(たかはし のぶひろ)
講師 鷲尾 純平(わしお じゅんぺい)
電話:022-717-8294 / 8295
E-mail:OEB*dent.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院歯学研究科
広報室
電話:022-717-8260
E-mail:den-koho*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)