2024年 | プレスリリース?研究成果
子供時代のソーシャルキャピタルが成人期のウェルビーイングの鍵 ー幼児期の社会的つながりの重要性ー
【本学研究者情報】
〇大学院情報科学研究科 学習心理情報学分野
准教授 細田千尋
研究室ウェブサイト
【発表のポイント】
- ソーシャル?キャピタル(社会関係資本)とは、信頼や助け合いができる社会の中の人と人との繋がりを表します。
- 幼少期に、両親以外にも豊かなソーシャルキャピタル(親以外の信頼ができる人との繋がり)を持っていた人は、成人後の主観的幸福感が高い、ということを示しました。
- 幼少期の親と過ごした時間の長さは、成人期の認知タスクの成績と関連がある可能性を示唆しました。
- 親との時間に加えて、親以外にも信頼できる人と繋がりを持つことが、成人期のウェルビーイングにつながる可能性があることを示しました。
【概要】
親子関係の質や親の関与が、子どもの社会的、感情的、および認知的発達に与える影響は指摘されてきましたが、家族に限定されない、子ども時代のソーシャルキャピタル(SC)との関係性については十分に研究されていませんでした。東北大学大学院情報科学研究科(兼)加齢医学研究所の細田千尋准教授のグループは、幼少期の親と過ごした時間、及び、ソーシャルキャピタルと、成人期のウェルビーイングの関連性を調べるため、大学生292名を対象に、幼少期の父親?母親?親以外の信頼できる大人との関わりと、現在の幸福度及び認知機能について調査を行いました。
その結果、子ども時代のSCと成人期の主観的幸福感(ポジティブ感情)には有意な正の相関があることが明らかになりました。また子供時代の母親の関与は成人期の認知機能(Raven's advanced progressive matrixによる知能)と関連していることが示唆されました。本成果は、社会的、感情的、および認知的発達の過程の中で、親に加えて、親以外の信頼ができる人との繋がりを持っていることの重要性を示すものです。
本研究成果は7月25日、心理学分野の専門誌Frontiers in Psychology にてオンライン公開されました。
図1. 幼少期におけるソーシャルキャピタル、母親と過ごした時間、および父親と過ごした時間別の成人期におけるウェルビーイング得点の違い
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大大学院情報科学研究科
東北大学加齢医学研究所
准教授 細田千尋
TEL: 022-717-8507
Email:
chihiro.hosoda.d8*tohoku.ac.jp
contact*hosodachihirolab.org
(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院情報科学研究科
広報室
鹿野絵里
TEL: 022-795-4529
Email: koho*is.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)
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