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Special Interview ?卒業生?在学生?教職員に聴きました?

東北大学 学友会書道部のリアル
~書に込める思い 大学祭と作品展の舞台裏~

こんにちは。学生広報スタッフの山口です。今回は、私が今年度の大学祭で印象に残った書道パフォーマンスをしていた学友会書道部に取材に行ってきました。

今回は東北大学学友会書道部を訪れ、写真の右から現部長 文学部1年 川口さん、前部長 理学部2年 櫻井さん、法学部2年 関さん、文学部2年 小川さん (以下、敬称略) にお話を伺いました。

複数人のチームで音楽に合わせ演技を取り入れながら大きな紙に筆を走らせる書道パフォーマンス。2024年の大学祭のパフォーマンスでは厚紙のような質感のロール紙を張り合わせた縦3.2m横4.8mのサイズの紙が使用されました。大きな紙ならではの自由な構成や、大筆、墨以外の色鮮やかなカラーを用いた迫力ある作品がリアルタイムで完成していく様子が圧巻です。
そんなパフォーマンスの裏側や、書道作品の作り方、書道部の魅力について伺いました。

大学祭での書道パフォーマンス

大学祭(2024年)での書道パフォーマンスの4作品

山口

大学祭の書道パフォーマンスはどのような過程で作り上げられるのでしょうか

櫻井

大学祭の書道パフォーマンスは夏休みに班分けが決まり、その後、パフォーマンス長を中心として音楽や書く文字、構成を決めています。そして、夏休みが終わると本格的に練習が始まります。音楽は、J-PopやSNSで流行った曲や大学祭のテーマ曲など、班ごとに異なるテーマが決まっていてそれぞれ個性のあるパフォーマンスをできるようにしています。

山口

練習中や本番当日で印象に残っていることはなんですか

川口

僕は高校のときにも書道部で書道パフォーマンスをしたのですが、大学では各々忙しくて協力してやっていくのが大変でした。それでも、クオリティを下げたくないという思いがあり、その分グループ内での結束が強められたと感じています。当日は大筆を担当しました。緊張と集中で周りの音が何も聞こえなかったのですが、作品が完成した時の観客の皆さんから拍手を頂いた瞬間、一気に安心して、頑張ってきてよかったと思いました。

櫻井

僕たちの班は練習日に雨が降ることが多く、本番用のロール紙が何枚か無駄になってしまったり、スプレーの水分量が多すぎて破れてしまったりトラブルが多かったです。本番でも不安でしたがうまくいって達成感がありました。

作品作りの過程

山口

展示会に向けての作品はどのように制作されるのでしょうか

櫻井

展示会は年に4回ありますが、学祭の展示会が最もバラエティに富んだ作品が並びます。

川口

臨書をやりたい場合は、まず法帖というお手本の中から自分の好きな書家や好きな文字を探すところから始めます。

臨書:手本を見ながら書くこと
法帖:先人の筆跡または碑文などを習字の手本や鑑賞用に模写したもの

川口さんの推し書家、顔真卿の法帖

法帖が詰め込まれた部室の書棚

関

私は、筆絵の作品を中心に制作しています。もともと絵を書くことは好きで、去年の書道合宿の際に遊びで絵を描いていたところ、先輩にすごく褒められて私は絵でいこうと決意しました。作品作りではイラストのついている法帖があるので、それを参考にしながら描いています。

小川

私は漢詩を創作しています。中高時代の書道部の顧問が漢文に造詣のある方で、その方から作り方を教えていただきました。また、同じ文学部の先輩にも漢詩を創作される方がいて、中国文化に興味のある方の中では漢詩を作る方は一定数いると感じています。

山口

作品を制作する際に、どのようなことを意識していますか

川口

臨書は手本を見て書くので、基本的には皆同じような仕上がりになります。それが臨書の本質だと思うのですが、自分は自分なりに解釈してかすれやダイナミックさを表現するなど、他の人がやらなそうなことに挑戦することを意識しています。

櫻井

僕は、書道の展示会に足を運んでくださる方は、造詣が深い方が多いと思うので、そうした方々の期待に応えられるよう、できる限り忠実に表現することを心がけています。

小川

私は、書く内容も全部自分で創作しているので、他の作品と比べて自由度が高い分、自分が考えていることを反映できるように意識しています。自分の感性が伝わるように、日本でしか使わない意味の漢字もあえて気にせず使っています。

関

私は、見た目の華やかさを重視し、一目見た時にいいなと思ってもらえるような作品を目指しています。「源氏物語」などの女性の絵を描く際には、髪の毛の艶とか、しなやかさやふわふわした感じが伝わるように工夫しています。

書道以外の活動

山口

書道部の書道以外の活動についても教えてください

川口

去年は福島に宿を借りて二泊三日で合宿を行いました。大きい部屋で書道に取り組みつつ、レクリエーションも楽しみました。夏休みに実施されたので僕たち一年生にとっては、先輩や同期と仲良くなるいい機会でした。

関

私は合宿係の一員として企画に携わりました。私も一年生の時に合宿を通していろんな人と仲良くなれた経験があったので、今回もみんなが自然と仲良くなれるように近くの体育館を借りてスポーツをしたり、謎解きゲームをしたりと、親睦を深めるためのレクリエーションを多めに取り入れました。

櫻井

合宿もそうですが、普段の活動も比較的自由で、作品展の期日までに仕上げるというルールさえ守れば、各自が来たいときに来て制作ができます。時々顔を出したり、部室に立ち寄るだけでも問題ないという雰囲気が、書道部の和やかさを生んでいると思います。

小川

ちゃんと話を聞いてくれる人が多くて、部内の仲がいいですね。

部室でのインタビュー中の様子

書道部の魅力

山口

最後に皆さんが思う書道部の魅力について教えてください

川口

僕は旧帝国大学の七大学による合同の展示会である旧帝展をまわる旅行などを通じて交友を広められることが魅力だと感じています。それに加えて、書道も十分に楽しめるというのがいいですね。

櫻井

書道部には学部も学年もさまざまな人がいるので、授業だけでは関わる機会のない人と話せるのがすごく楽しいです。

関

書道部は部活だけれどサークルのような和やかな雰囲気があり、その中で多くの人と話せるのが魅力だと思います。

小川

私も書道に関心があって、漢詩という趣味を受け入れてくれる人たちと出会えたことがありがたかったです。

川口

来年も4回の展示会を開催し、部室の和やかな雰囲気などの、書道部の良い伝統を受け継いでいけるようにしたいです。

臨書する川口さん

文:学生広報スタッフ 山口 璃空
協力:学友会書道部

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問い合わせ先

総務企画部広報室
Email: koho*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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