2025年 | プレスリリース?研究成果
「津波災害デジタルツイン」研究開発成果の社会実装検証 ~宮城県「みやぎ県民防災の日」総合防災訓練に参加~
【本学研究者情報】
〇災害科学国際研究所
教授 越村 俊一
【概要】
国立大学法人東北大学(注1、以下 東北大学)と株式会社 RTi-cast (注 2、 以 下 RTi-cast)は、内閣府が主導する戦略的イノベーション創造プログラム(注 3、以下 SIP) の研究課題「スマート防災ネットワークの構築」(プログラムディレクター:楠浩一東京大学教授、研究推進法人:国立研究開発法人 防災科学技術研究所)(注 4)において研究開発中の「津波災害デジタルツイン」(研究開発責任者:越村俊一東北大学教授)の実証として、令和7年度『みやぎ県民防災の日「総合防災訓練」』に参加し、リアルタイム津波浸水予測の情報を訓練の基礎情報として提供します。
「津波災害デジタルツイン」は、2011 年に発生した東北地方太平洋沖地震津波災害の教訓をもとに開発した「リアルタイム津波浸水被害予測システム」(注 5)を高度に発展させ、東北大学サイバーサイエンスセンターで稼働するNEC の「SX-Aurora TSUBASA」を中核とするスーパーコンピュータ「AOBA」(注 6)や国内の様々なスーパーコンピュータやAI 技術を活用して、津波における人的被害の軽減、災害対応機関の人手不足解消、迅速な災害対応などを目指した研究開発を推進することで、日本の災害対応力強化を目指すものです。
みやぎ県民防災の日「総合防災訓練」は、「日本海溝?千島海溝周辺海溝型地震」など、今後発生が想定されている大規模災害への備えとして、宮城県及び防災関係機関相互の連携強化を図ることを目的として実施されるものです。
令和7年6月11日に実施される令和7年度『みやぎ県民防災の日「総合防災訓練」』の令和7年度図上訓練では、三陸沖で地震が発生したとの想定のもと、「津波災害デジタルツイン」を試験的に稼働させ、発生した地震による津波浸水の状況をリアルタイムで予測し、予測結果を宮城県に提供します。提供した情報は、宮城県および関係機関の災害対応の基礎情報として利用されます。
令和7年度『みやぎ県民防災の日「総合防災訓練」』については、宮城県からの発表(注7)を参照下さい。
東北大学とRTi-castは、本訓練を通して、「津波災害デジタルツイン」の社会実装を進め、日本の津波災害に対するレジリエンス向上に貢献します。
【用語解説】
(注 1) 国立大学法人東北大学(所在地:宮城県仙台市、総長:冨永悌二)
(注 2) 株式会社 RTi-cast(本社:宮城県仙台市、代表取締役社長:村嶋陽一)
(注 3) 総合科学技術?イノベーション会議が自らの司令塔機能を発揮して、府省の枠や旧来の分野の枠を超えたマネジメントに主導的な役割を果たすことを通じて、科学技術イノベーションを実現するために新たに創設するプログラム。
https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/
(注 4) https://www.nied-sip3.bosai.go.jp/index.html
(注 5) 東北大?大阪大?NEC ?国際航業?エイツー、世界初、地震発生から30分以内にスーパーコンピュータを用いて津波浸水被害を予測するシステムが内閣府「津波浸水被害推定システム」として採用 。
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2017/05/press20170525-02.html
(注 6) スーパーコンピュータ「AOBA」
https://www.cc.tohoku.ac.jp/service/supercomputer/
(注 7) https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/bousai/bosai-miyagi-r7.html
問い合わせ先
東北大学災害科学国際研究所
広報室
電話番号:022(752) 2049
Email:irides-pr*grp.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)
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