2026年 | プレスリリース?研究成果
高配向性マクロチャネルを備えた超軽量かつ強靭なハニカム炭素材料を開発 ―環境?エネルギー技術を支える材料構造設計―
【本学研究者情報】
〇多元物質科学研究所 助教 中辻博貴
研究室ウェブサイト
【発表のポイント】
- 一方向凍結法によって高い配向性を持つマクロチャネルを備えたハニカム状の構造を持つ炭素材料が作製されました。
- 従来の多孔炭素材料と比べ、軽量でありながら非常に強靭な圧縮強度(注1)を持ち、貫通したマクロチャネルによって高い流体透過性を示します。
- 耐久性が高く、効率的な物質移動と界面利用を可能にする事から環境技術やエネルギー技術を支える実用材としての展開が期待されます。
【概要】
マクロチャネルを有する多孔材料は、電池や触媒、水処理など多分野で重要であり、とりわけ多孔炭素材料は高い安定性と電気?熱伝導性から有望です。しかし従来の材料は、高密度高重量、加工性?耐久性の低さ、流体輸送経路の制限といった課題を抱えていました。
東北大学多元物質科学研究所の中辻博貴助教、同材料科学高等研究所(WPI-AIMR)の西原洋知教授らは、これらの課題を克服するため、低密度?高機械強度?優れた流体輸送経路を併せ持つ高い配向性のマクロチャネルを備えた一体型のハニカム型炭素材料の作製方法の開発に成功しました。
本研究では、氷結晶を鋳型とするアイステンプレート法の1技術である一方向凍結法とセルロースナノファイバー(CNF)(注2)の持つハニカム構造を強く誘導する性質を活用し、軽量かつ高強度で貫通マクロチャネルを有するハニカム炭素材料を作製しました。得られた材料は低密度にもかかわらず極めて高い機械強度と流体透過性を示し、水浄化や電熱による熱交換において従来材料を大きく上回る性能を発揮することを実証しました。本研究は、これらの応用のみならず電極など幅広い応用の可能性を秘め、環境技術やエネルギー技術を支える材料としての応用が期待されます。
本研究成果は、2026年1月2日(現地時間)付けで、科学誌 Material Horizons(電子版)に掲載されました。
図1. 高配向性マクロ孔を持つハニカム炭素材料の機能と応用
【用語解説】
注1. 圧縮強度:押しつぶす方向に外から力を受けた時にどれだけ変形や破壊に耐えられるかという性質。1kPaであれば1m2当たり1000Nの力に 耐えられる。
注2. セルロースナノファイバー(CNF):木材や植物に含まれるセルロースを数nmまでほぐした、非常に細い繊維材料。主成分は紙や木と同じセルロースなので、再生可能?環境にやさしいのが特徴。
【論文情報】
タイトル:Ultralight and mechanically robust carbon monoliths with aligned microchannels
著者: Minghao Liu, Masataka Inoue, Hirotaka Nakatsuji*, Rui Tang, Zheng-Ze Pan and Hirotomo Nishihara*
*責任著者:東北大学 材料科学高等研究所/多元物質科学研究所 教授 西原洋知
東北大学 多元物質科学研究所 助教 中辻博貴
掲載誌:Material Horizons
DOI:10.1039/d5mh01458a
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学多元物質科学研究所
助教 中辻 博貴(なかつじ ひろたか)
TEL:022-217-5627
Email: hirotaka.nakatsuji.d1*tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学多元物質科学研究所 広報情報室
TEL: 022-217-5198
Email: press.tagen*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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