総長メッセージ
2025年 東北大学総長 年頭所感
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謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。
東北大学は昨年末、国際卓越研究大学第一号として、認定?認可されました。
このことは、これまで研究教育?社会貢献に努力を重ねてきた教職員各位、そして本学に関係する皆様のご支援によるものであり、改めて感謝申し上げます。
国際卓越研究大学の認定?認可
認定?認可を受けて、今後、計画である25年の間に、真に世界に伍する研究大学への飛躍を目指します。本年は、その第一歩を踏み出す節目の年であり、本学構成員が一丸となり、また本学に関わるすべてのステークホルダーの皆様と手を携え、新たな歴史の扉を開いてまいります。
本学は先の研究等体制強化計画において、「世界に伍する研究大学たる東北大学とは何か」を社会に提示しました。国際卓越研究大学を目指す初年度である今、研究大学として必要な成長を各構成員が共感し、認識しながら邁進してまいります。
国際卓越人事
「国際卓越研究大学」の事業は、日本で低下している研究力を強化することが、大きな目的の一つです。今後の計画遂行において、研究力強化のためには、如何に多くの優秀な研究者に、本学で活躍してもらうかが極めて重要です。このような卓越した研究者のほか、今後5年間で、研究支援プロフェッショナル人材を抜本的に充実させていきます。各組織の長期戦略に則した国際卓越人事に加えて、大学全体の発展を見据えた戦略的人事も併せて遂行します。
このような人事は、透明性と統一性を以て遂行されることが肝要です。昨年10月に設置したHCM(Human Capital Management)室を通じて、一定の選考基準を示すとともに各組織の戦略を確認しつつ、人事計画の審査をすでに開始しているところです。
基盤的研究強化における若手の活躍
研究力強化戦略としては、従来の3階層研究力強化パッケージにおけるトップレベル研究、第2層の分野融合研究強化は勿論のこと、基盤的研究の強化に注力します。
若手研究者の自由な発想に基づく研究こそが、将来の研究を支える基盤であることは言を待ちません。これまで若手研究者の育成を独自で展開してきた「学際科学フロンティア研究所」の事例を踏まえ、優秀な初期?中堅キャリア研究者(EMCR)を登用するとともに、若手が活躍できる研究環境を拡充します。
星陵キャンパスにおいては、若手?中堅フィジシャンサイエンティスト育成のためのSiRIUS医学イノベーション研究所を本年4月に創設し、医学?医療分野におけるイノベーションを目指します。
産学共創
産学共創においては、企業のR&D拠点をキャンパス内に設置する共創研究所はすでに33を数え、青葉山新キャンパスのサイエンスパーク事業も進展しています。東北大学関連のスタートアップも199社を数え、今後もすべてのキャンパスを共創空間、イノベーションの場として、我々の知を社会価値とすべく、社会との共創を一層推進してまいります。
世界に伍する研究大学としての教育を目指して
教育面においては、2027年を目途に開設される「ゲートウェイカレッジ」のほか、「高等大学院」や「アドミッション機構」の設置?拡充についても具体的準備を進めます。
新たなガバナンス
一方、本学の新たなガバナンス体制について紹介します。
全方位の国際化を推進するため、新たにCGO(Chief Global Officer)を創設し、フランスの国立応用科学院で国際連携担当副学長等として活躍しているMarie-Pierre Favre氏が、本年4月に着任します。国際リンケージの強化や学内業務の国際化の推進を担っていただきます。
最後に、東北大学は、研究第一はもとより、早くから門戸を開放して多様性を尊び、実学を重んじて社会価値を創造してきました。新たな研究大学への変革は、このDNAがあるからこそ、可能であると考えます。
本学のさらなる飛躍を誓い、新年の挨拶とさせていただきます。
2025年1月6日
東北大学総長