2015年 | プレスリリース?研究成果
50テスラ超強磁場まで維持される2次元超伝導状態を発見-相対論的効果により出現する新奇超伝導現象の解明-
東京大学大学院工学系研究科附属量子相エレクトロニクス研究センター?物理工学専攻の岩佐義宏 教授(理化学研究所 創発物性科学研究センター 創発デバイス研究チーム チームリーダー兼任)、M. S. Bahramy 特任講師(理化学研究所 創発物性科学研究センター創発計算物理研究ユニットユニットリーダー)、同研究科物理工学専攻の斎藤優 大学院生らの研究グループは、同大学物性研究所 徳永将史 准教授、京都大学大学院理学研究科 柳瀬陽一 准教授と笠原裕一 准教授、東北大学金属材料研究所 野島勉 准教授らと共同で、原子膜材料である二流化モリブデン(MoS2)の電気二重層トランジスタ(EDLT)構造において、MoS2表面に誘起される原子1層分の厚さの極めて薄い2次元超伝導体が、層に平行な方向の磁場に対して極めて強い耐久性を示すことを発見しました。さらに、第一原理に基づく理論計算により、この超伝導体では超伝導電子対のスピンが層に対し垂直方向に固定されている、前例にない特殊な超伝導状態が実現していることを初めて実証しました。本研究成果は、対称性が破れた2次元電子系における新奇超伝導という新たな学術分野を切り開く礎となるだけでなく、強磁場に対して極めて安定な超伝導材料を開発するための新機軸となることが期待されます。
本研究成果は、英国科学雑誌『Nature Physics』のオンライン(平成27年12月7日版)に掲載されました。
内部有効磁場によって面直方向に固定された非従来型のクーパー対
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